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面識のない相続人から手紙が!返信は?無視は危険?正しい対処法

ある日突然、面識のない親族や、見知らぬ士業の方から「相続に関するお知らせ」という手紙が届いたら、誰もが驚き、不安に感じるはずです。「新手の詐欺ではないか?」「なぜ自分に連絡が?」と疑問に思うのも無理はありません。
この記事は、まさにそのような状況に置かれ、どう対応すべきか戸惑っている方のために書かれています。
この記事では、なぜ面識のない方から相続の手紙が届くのかという理由から、手紙を無視し続けることの深刻なリスク、そしてご自身の状況に合わせて冷静かつ適切に対応するための具体的な返信方法まで、明確に理解できると思います。
なぜ、面識のない人から相続の手紙が届くのか?
まず知っておくべきことは、その手紙は間違いや詐欺ではなく、法的な根拠に基づいてあなたに送られている可能性が非常に高いということです。なぜなら、相続に関する手紙は、無関係な人に送られることは決してないからです。
あなたは戸籍上の「相続人」である可能性が非常に高い
手紙を送ってきた他の相続人や、その依頼を受けた専門家(士業)は、思いつきや無作為に連絡をしているわけではありません。特に専門家から手紙が届いた場合、その専門家は、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本をすべて調査し、法律上の相続人全員を特定した上で連絡をしています。士業は職務上、戸籍や住民票を取得する権限を持っているため、あなたが住所を教えていなくても連絡が可能なのです。つまり、手紙が届いたあなたは、法的に「相続人」であると確定していると考えて間違いありません。
相続手続きは、相続人全員の協力が不可欠
手紙が送られてくる最も大きな理由は、法律のルールにあります。預貯金の解約や不動産の名義変更などを行うためには、遺産の分け方を決める「遺産分割協議」が必要ですが、この協議は相続人が一人でも欠けた状態で行うと法的に無効となってしまいます。そのため、たとえ面識がなくても、相続人であるあなたに連絡を取り、手続きへの協力を求める必要があるのです。
手紙が届く典型的なケース
では、なぜ自分も知らない相続関係が存在するのでしょうか。以下のようなケースが典型例です。
- 亡くなった方に離婚歴があり、前の配偶者との間に子がいる場合
前の配護者との間に生まれた子にも相続権があるため、現在の家族と面識がなくても連絡が必要になります。 - 長期間にわたり不動産の相続登記が放置されている場合
親や祖父母の代から不動産の名義変更がされず、相続が何代にもわたって発生しているケース(数次相続)です。相続人が数十人に枝分かれし、会ったこともない遠い親戚が相続人になっていることがあります。特に2024年4月1日から相続登記が義務化されたため、放置されてきた不動産の問題を解決しようと、今になって連絡が来るケースが増えています。 - 親族間で疎遠・絶縁状態になっている場合
兄弟姉妹や甥・姪など、本来の相続人が長年にわたって音信不通になっているケースです。
絶対にNG!手紙を無視し続けることの深刻なリスク
手紙の内容がどうであれ、最もやってはいけないのが「無視し続けること」です。無視することにメリットは一つもなく、ご自身にとって深刻な不利益をもたらす危険性があります。
期限を過ぎて多額の借金を背負うリスク
相続財産には、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金や保証債務といったマイナスの財産も含まれます。もし、亡くなった方に多額の借金があった場合、それを引き継がないためには「相続放棄」という手続きが必要です。
この相続放棄は、「自身が相続人になったと知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。専門家からの手紙を受け取った日は、まさにこの「知った時」と見なされる可能性が非常に高いです。
もし、この期限を過ぎてしまうと、自動的にすべての財産(借金も含む)を相続することを承認したこと(単純承認)になり、多額の借金を背負う最大のリスクがあります。

手続きが停滞し、最終的に裁判沙汰になるリスク
あなたが連絡を無視し続けると、他の相続人は遺産分割協議を進められず、相続手続きは完全にストップしてしまいます。このままでは誰も財産を受け取れないため、他の相続人はやむを得ず、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることになります。
さらに連絡を無視し続けると、裁判所はあなたの代わりに手続きに参加する「不在者財産管理人」を選任することがあります。この管理人が、あなたに不利な内容(例えば、価値の低い不動産だけを割り当てるなど)で遺産分割に同意してしまう可能性もあり、あなたの知らないところで権利を失う危険性があります。
他の相続人に多大な迷惑をかけるリスク
自分一人が協力しないだけで、他の相続人全員が、預貯金の解約、不動産の名義変更、相続税の申告といった一切の手続きを進められなくなり、非常に困った状況に陥ります。特に、遺産分割協議が遅れると、他の相続人が「配偶者の税額軽減」といった重要な税金の特例を使えなくなり、本来払わずに済んだはずの高額な税金を納めなければならなくなるなど、金銭的な損害を与えてしまう可能性もあります。
どう返信する?状況に応じた3つの選択肢
手紙を受け取ったら、無視せずに行動を起こすことが重要です。ご自身の状況や気持ちに応じて、以下の3つの選択肢から返信の方針を決めましょう。
選択肢1:相続手続に協力する
手紙の内容を読んで状況を理解し、相続手続きに協力する意思がある場合の対応です。差出人本人や、手紙に記載されている士業などの連絡先に「相続手続きに協力します」という旨を伝えましょう。そうすれば、今後の具体的な手続きの流れについて案内が送られてくるはずです。
選択肢2:まずは話を聞き、状況を把握したい
「手紙の内容がよく分からない」「いきなり協力するのは不安だ」と感じるのは当然です。その場合は、「まずは詳しいお話を聞かせていただきたい」と正直に連絡しましょう。電話や面談で、誰が亡くなったのか、他に相続人は誰がいるのか、どのような財産があるのかといった詳細を確認することが重要です。
何も返事をしない「無視」に比べ、状況を知りたいという意思表示をするだけでも、事態は円滑に進みやすくなります。
選択肢3:相続に関わりたくない(相続放棄する)
「疎遠な親族の相続トラブルには関わりたくない」「借金があるかもしれないので相続したくない」という場合は、「相続放棄をしたい」という意思を明確に伝える必要があります。
ただし、意思を伝えるだけでは相続放棄は完了しません。前述の通り、相続放棄は「相続の開始を知った時から3ヶ月以内」に、ご自身の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。この期限は非常に重要ですので、速やかに手続きを進めましょう。
返信する前に確認すべき注意点
連絡を取る前に、一度冷静になって以下の点を確認してください。
本当に詐欺ではないか確認する
正規の相続手続きで、いきなり「手数料」や「調査費用」といった名目で金銭を要求されることは絶対にありません。もし先に金銭を要求されたら、詐欺の可能性も疑って下さい。また、手紙に書かれている内容を鵜呑みにせず、ご自身で戸籍謄本を取り寄せて、本当に自分が相続人であるかを確認することも有効な自衛策です。連絡してきた士業が実在するか、所属団体のウェブサイトで名前を検索して確認しましょう。
相続財産には安易に手をつけない
これは非常に重要な注意点です。亡くなった方の預金を引き出したり、遺品を売却したりすると、法律上「すべての遺産を相続する」と意思表示した(単純承認)と見なされる可能性があります。そうなると、後から多額の借金が発覚しても相続放棄ができなくなります。財産の全体像がはっきりするまでは、絶対に相続財産に手をつけないでください。
差出人の専門家が「弁護士」かそれ以外かを確認する
- 弁護士(法律事務所)からの手紙の場合
弁護士の先生が関与している場合、すでになんらかの意見の対立があるか、将来的に紛争に発展する可能性もないともいいきれません。もし弁護士の先生から手紙が届いた場合は、ご自身もすぐに弁護士に相談することをも選択肢の一つだと思います。 - 司法書士・行政書士等からの手紙の場合
紛争性のない手続きのを担います。この場合、相手方は争いを望んでおらず、事務手続きを円滑に進めたいと考えている可能性が高いです。
いきなり遺産分割の話はしない
最初の返信では、具体的な遺産の分け方について話をするのは避けましょう。差出人側の専門家の当面の目的は、交渉ではなく「相続人全員と連絡を取り、話し合いの土台を整えること」です。まずは「手紙を受け取りました。協力します(または、話を聞きたいです/放棄を考えています)」といった意思表示に留め、正確な状況把握に努めるのが賢明です。
感情的にならず、冷静に対応する
手紙の文面が事務的であったり、高圧的に感じられたりして、感情的になってしまうこともあるかもしれません。しかし、感情的な対応はご自身にとって何の利益にもなりません。客観的な事実に基づいて、冷静に対応することが最も重要です。
不安な場合は専門家に相談する
相手と直接やり取りをしたくない場合や、手続きの進め方に少しでも不安がある場合は、ご自身で中立的な立場の士業に相談するという選択肢も非常に有効です。あなたに代わって相手方との窓口となり、法的に不利にならないようサポートしてくれます。
5. まとめ
面識のない相続人から突然手紙が届いたら、驚くのは当然ですが、最も重要なことは「まず連絡する」ことです。
その手紙は、あなたを法的な相続手続きに招待する正式な通知です。無視を続けることは、借金を背負うリスクや裁判沙汰に発展するリスクを高めるだけで、何のメリットもありません。
相続するにせよ、放棄するにせよ、まずは正確な状況を把握することが全ての始まりです。そのためにも、勇気を出して差出人に連絡し、話を聞いてみることを最優先に行動してください。



